オペラグラスには重すぎる

見た舞台の感想とか、日常とかについて書ければ

ミュージカルマタハリ見てきましたという話

ミュージカルマタハリ日本初演初日、2日目行ってきました。

まだうまく文章に出来ないので、自分の中でキーだろうなと思ったことを書きます。ネタバレ要素含みますのでご容赦ください。





■照明の色
基本、水色なんですよね。というか舞台上が基本的青と黒で構成されてる。キービジュアルの色味が舞台にある。

アルマンとマタハリのところはピンクだったり、色のない、普通の照明だったりするのでそこだけ夢とか、写真を見てるような気分になる。絶対意味があるのにそこを考察する間がない。

■ラドゥーがマタハリに救いを見出している姿、推しを見ている我々にも通じるものがあるのでは?って一瞬思ってしまった

マタハリの裁判のシーン、観客役のアンサンブルが白い幕を持って、そこからマタハリに暴言投げたり、覗き込んだりするんだけど、白い薄い幕が、「正義の名のもとにぶん殴りたい」「叩くために相手を知りたい、覗き込みたい」みたいなイヤーーな気持ちを伝えるのが非常にうまい。舞台装置が無駄がない。門外漢なので、違ったらすみません、なんですが、シンプルな装置で観客に分からせる演出、石丸さんすごいなあと思いました。

■アルマンとマタハリの心の通じ合い
これはお手紙にも書いたんですけど、マリオネットのシーンは本当に最高なんですよね……。アルマンもマタハリも(日本版マタハリだとほとんど描かれてないけどラドゥーも)みんなマリオネットなんだよね……。アルマンもマタハリも暴力に苦しみ、自分だけで自分のことを決められない、誰かの支配下にある苦しみを知ってるから通じ合う、あの瞬間が好きです。韓国版だとおそらくここかオルゴールなんですよね?

■韓国版(オリジナル)と展開違う
マタハリ観劇前に韓国版のあらすじ読んでいたのですが、正直別物ですよね……。韓国版見てないし、どっちがいいとか言えないんですけど、韓国版ご覧になった方は「別作品」って思っていたほうがいい気がします。あとでここが違う点ですってのを簡単にまとめたい。ラドゥーの描写については韓国版のほうが多いんじゃないかな。

日本版はマタハリとアルマンに寄ってる気がします。結末がちょっとチグハグな印象はそのせいかなー。ラドゥーがどういう思いでマタを起訴し、罰を与えたのかとか、アルマンの告発のあとのラドゥーがよくわからないまま処刑シーンに入るので……。再演でここらへんもう少しあると良いかもなーって思いました。

■フランス→青 ドイツ→黒・赤
衣装の色の話

マタハリの衣装の色の変化
最初は金のヘッドドレス・ブラ・白のヴェールなのが黒に変わり、赤に変わりましたっけ?あれも心情変化ですよね……。

■「くそっ!」
アルマンも、ラドゥーも、ドイツの将軍もマタハリとうまく行かなくて言うんだけど、ここらへんは「みんな同じ"男"という生き物」みたいな感じなんだろうか。

■「善と悪の彼岸なんてない」「真実と嘘は近いところにある」「生きるために戦う」「死の意味」
全部歌に出てくるんですけど、個人的には「善と悪の彼岸なんてない」っていう言葉が気になっています。マタハリ、決して明るく楽しい話ではありませんが、不思議と見たあとの気持ちは『救い』って感じになります。

キャストについて

柚希礼音さん
初めて拝見したのですが、すごい……真っ直ぐで陽の要素が強い方なんだろうな……というのがわかりました。男役の影響もあるのかもだけど、ご本人の気質がそうなんだろうな……と。初日はアルマンと友人→恋人って感じだったのが今日は余裕のあるお姉さん→恋人みたいに見えた(※個人の感想です)ので、これから日を追うごとに変わるのかもな……と思いました。加藤アルマンとの恋の姿も見たいよ。


加藤和樹さん
加藤さんも初めて拝見しました。ニコニコの番組は見たことあります……

プレッシャーに押しつぶされそうで、そんな中マタハリに出会って安らぎを感じてしまうラドゥー大佐の苦しみや屈折した気持ち…。自分の決定で一万人の命、国の運命が変わるっていうのはどれだけ苦しいんでしょうね。マタハリもアルマンも「自分が生きるために戦う」んだけど、ラドゥーはひとり「自分の背負うもののために戦う」んですよね。ラドゥーのほうがより孤独が強いんじゃなかろうか。それをマタハリに救いを見出してしまった彼の悲劇を思うとね……。マタハリとラドゥーはある意味幸せで、一番悲劇的なのはラドゥーだよなあと思ってしまった。

ラドゥーがアルマンとマタハリの恋に気付いて目をひん剥く(私の妄想か……?)ところ、歪みや狂気が爆発してて大好きです。

繰り返しますが加藤アルマン見たいです。入院無かったら普通に行ってた

東啓介さん
私が最初に見た演目で歌声を聞いたときに、「いやーすごく豊かな声量といい声だなあ、ワンフレーズじゃなくてもっと聞きたいなあ」って思ってたんですけどその時の自分に「聞けるよ」って伝えたい。

考えを整理できませんでした……申し訳ない……。

上から目線?贔屓目?色々混じってるかもしれませんが、柚希礼音さん、加藤和樹さん、お二人ともキャリアを積まれている中、堂々と渡り合っていると感じました。ミュージカルの歌い方を身に着け、「感情を伝える」表現力が上がって、元々の持ち味の声量がより活きている……!って初日の席でしみじみしました…。

……東京公演行きたい……。


本当に入院前に行ってよかったです。


追記

■今、見終わってすぐ飛び乗った新幹線のなかでこれをポチポチスマホで打ってるんですけど、なんか見たあとの心境にモーニング娘。'16の「セクシーキャットの演説」がハマって仕方ないんですけど、ネタバレ要素……含む?含まない?わからないのでこっち書きました。観た方の感想が知りたいです。

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